化粧がけ5(ついに成功)
今まで底付きするために高台内を先に化粧を掛けたり、後にかけることによってズブがけができていました。記事の後方に試した方法を書きます。
今日はそもそも、なぜ底付きするほど見込みが広い器に生で化粧を掛けるのかをポジティブ、ネガティブで考えてみました。
理由
ポジティブ
・生の粘土に化粧をかけることによってその一瞬の流れを写し取り、それが良いと思った
・釉薬にはない質の柔らかい表情が出る
・日本にある古くからある技法で世界にはスリップウェアなどもあるが器全体にかける珍しい技法
・技術が必要(これ自体に意味はないし、偉いなどでもない)で単純に挑戦の意味もある
ネガティブ
・多くの人がやっている技法で良いと思った(そこまで悪くない理由)。
・素焼き化粧もあるがやる意味を見出せなかった。
整理するとポジティブな理由が多く好きなことがわかりました。
現状の把握
高台内と外を分けて化粧がけをしている。そもそも、原点に戻ると底付きするから分けていて一回で掛けられるのならばその方が良いと思います。
分岐点を整理
化粧を30cmの皿にかける→底付きするがどうしても解消できない→対応策を考えるココ!→完成させる
ここから試行錯誤したやり方になります↓
底付き対策
底が広くもともと落ちやすいうえに両側を同時にかけるのでさらに高確率で底付きしやすくなる。
発想
・器の表か裏を別々でかける。
・高台内を先か後にかける(上記より対応する範囲が狭く楽)
・そもそも表と裏を何とかして乾かす(理想)
対応策
・表面を均一にかけてから裏側を後でかける。(表裏の分割がけ)
・高台内を先にかけて撥水剤を二度塗りする。(高台内の先がけ)
・高台内に撥水剤をかけて後で拭いて化粧をかける(高台内の後がけ)
・ズブがけしたあとに穴が空いた板の上に乗せ熱風がいくようにする。(一度がけで対策をする)
やり方
・表裏の分割
はじめにオタマなどで器に注ぎ満面なく化粧がかかるようして捨てます。
そのあと表面のフチに撥水剤を一周させ、これを二回やり裏をかけた時に表に回る化粧をガードします。
次に高台内をかけたあとにすぐに捨てて周りを拭いてから柄杓でロクロを回しながら掛けます。撥水剤で弾いてしまい裏側に雫が回る結果になりました。
横着した1枚目は一気にかけて汚いことになりました。
やった結果、実質3回化粧をかけることになりました。フチの処理なども考えるといまのところ現実的な方法ではないです。
・高台内の先かけ
高台内にたっぷり化粧を入れ回して行き渡らせたら捨てます。乾かして撥水剤を二度塗ります。一度では上についた化粧の雫を拭いた時に下の化粧に傷がついたり剥がれたりします。
そのあとは、普通にズブがけをします。
針で化粧を取ろうとしていますが一度塗りでは一緒に下まで取れます。
・高台の後がけ
高台内に先に撥水剤を塗りガードします。薄くても良いです。
ズブがけした後に、一生懸命スポンジで撥水剤を剥がします。これが一番大変で粘土分が流れて砂が出てきてしまいます。
化粧を高台外に落とせないので満面なく行き渡るように量を調節するか、あえて多くして高台に撥水剤を塗って一気にひっくり返すと綺麗に捨てられます。
ヒートガンで乾かします。
一度盛り上がりますが、戻ります。
・一度がけで対策をする
これが本命です。やり方は普通にズブがけをします。
「穴の空いている板」に一度乗せます。←ココが重要
ろくろと高さが出るブロック状のものを3個用意します
写真は乾いたものですがこんな感じです。
箱の中に入れて手前からヒートガンを当てます。この時、熱風で化粧が動かない距離にして見込みから向こう側まで暖かい空気がいくのを意識します。
皿より高い箱に入れると全体に熱風が行き乾くと思いました。
ある程度表面が乾いたら持ち上げて高台内にもヒートガンを当てます。
この方法がリスク、時間的なコストなどが少なくていいと思います。真ん中に穴が空いていて水平が取れていて凸凹がない板であれば木でなくても良いと思います。
大変長くなりましたが読んで頂きありがとうございました。
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